【2026年版】相続放棄をわかりやすく解説
親や親族が亡くなり、マンションなどの不動産を相続することになったとき「相続放棄」という言葉を初めて意識する方は多いと思います。
この記事は、不動産鑑定士による監修のもと、実体験と実際のデータをベースに執筆しています。
結論から先にお伝えします。
相続放棄とは、家庭裁判所に申述して被相続人の財産・負債を一切引き継がない手続きのことです。
期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」と法律で定められています。
マンションを相続する場合、資産価値がプラスでも、管理費・修繕積立金の滞納や連帯保証などマイナス面が大きければ放棄が選択肢になります。
ただし相続放棄をすると預貯金や他のプラス資産も一切受け取れなくなるため、慎重な判断が必要です。
迷った場合は、売るか持つかを数値で比較できる相続シミュレーター(/tools/inheritance-simulator)を使うことをおすすめします。
マンション売却にかかる税金の基本
マンション売却で利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間によって税率が大きく異なります。所有期間5年以下(短期譲渡)の場合は税率39.63%(所得税30.63%+住民税9%)、5年超(長期譲渡)の場合は税率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。ただし「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用されれば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けるため、多くのケースで税金がゼロになります。適用条件は、売却する物件に住んでいること(または住まなくなって3年以内)です。
相続放棄とは何か
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産も負債もすべて相続しないと決める法的な手続きです。
「マンションだけ相続しない」といった一部放棄はできません。
現金や有価証券などプラスの財産も含めて、すべてを放棄することになります。
主な特徴は次の通りです。
- 家庭裁判所への申述が必要(口頭や親族間の合意だけでは無効)
- 期限は相続開始を知った日から3ヶ月以内
- 一度受理されると原則撤回できない
- 放棄した人は「最初から相続人でなかった」扱いになる
この最後のポイントが重要です。
放棄すると次の順位の相続人(兄弟姉妹など)に相続権が移るため、事前に親族間で情報共有しておく必要があります。
マンションを相続した場合に放棄を検討すべきケース
マンションという資産は、現金と違って「持っているだけでコストがかかる」という特徴があります。
具体的には以下のような費用が発生し続けます。
| 費用項目 | 目安(月額) | 備考 |
|---|---|---|
| 管理費 | 1万〜2万円 | 築年数・規模により変動 |
| 修繕積立金 | 1万〜3万円 | 築年数とともに増額傾向 |
| 固定資産税・都市計画税 | 年5万〜15万円 | 評価額により変動 |
| 滞納金の引き継ぎ | 累積で数十万〜 | 前所有者の滞納があれば要注意 |
私が実家マンションの相続に関わった際も、まず確認したのは管理費・修繕積立金の滞納の有無でした。
滞納があると、相続人がその債務ごと引き継ぐことになります。
以下のようなケースでは、相続放棄を検討する価値があります。
- 被相続人に多額の借金や連帯保証があった
- マンションが遠方にあり、管理・売却の見通しが立たない
- 管理費・修繕積立金の滞納が数十万円以上ある
- 再建築不可などで資産価値がほぼゼロと判断される
逆に、立地が良く資産価値が見込める物件であれば、放棄よりも「売却して現金化する」判断のほうが合理的なケースが多いです。
まずは無料の価格診断ツールで、あなたが相続したマンションの適正価格をチェックしてみてください。
相続放棄と限定承認の違い
相続放棄と混同されやすいのが「限定承認」です。
限定承認は、プラスの財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐという中間的な選択肢です。
一見便利に見えますが、相続人全員の合意が必要という制約があり、実務上はあまり利用されていません。
- 相続放棄:プラスもマイナスもすべて放棄。単独で申述可能
- 限定承認:プラスの範囲内でマイナスを引き継ぐ。相続人全員の合意が必要
- 単純承認:プラスもマイナスもすべて引き継ぐ(何もしなければ自動的にこれになる)
負債の全容が不明な場合、限定承認は有効な選択肢になり得ますが、手続きの煩雑さから、実際にはマンションの資産価値を調べたうえで「放棄するか」「単純承認して売却するか」の二択で判断する方がほとんどです。
相続放棄の手続きと期限
相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」です。
この3ヶ月という期間を「熟慮期間」と呼びます。
熟慮期間中に、被相続人の資産と負債を洗い出す必要があります。
主な手続きの流れは次の通りです。
- 被相続人の財産・負債を調査する(不動産・預貯金・借金など)
- 家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出する
- 必要書類(戸籍謄本など)を揃えて提出する
- 家庭裁判所からの照会に回答する
- 「相続放棄申述受理通知書」を受け取り完了
3ヶ月では調査が終わらない場合、家庭裁判所に「期間伸長の申立て」をすることも可能です。
私の周囲でも、遠方の実家マンションで管理組合への確認に時間がかかり、期間伸長を利用したケースがありました。
期限が近づいて焦って判断するより先に、早めに専門家や税理士に相談することをおすすめします。
売るか、持つか、放棄するかを数値で比較する
相続したマンションの選択肢は、大きく分けて3つあります。
- 相続放棄する(プラスもマイナスも引き継がない)
- 相続して売却する(現金化して分割・活用する)
- 相続して保有する(賃貸に出す、または自分で住む)
このうち「売却」と「保有」のどちらが得かは、家賃相場・管理コスト・将来の資産価値変動によって大きく変わります。
感覚だけで判断すると、数百万円単位で損をするケースも珍しくありません。
売るか持つかで迷ったら、相続シミュレーター(/tools/inheritance-simulator)で数値比較してみてください。
築年数・エリア・想定家賃などを入力するだけで、保有した場合と売却した場合の収支を試算できます。
私自身、実家マンションの扱いを検討した際にこうしたシミュレーションを行い、売却という判断に至りました。
まとめ
相続放棄を検討する際のポイントを整理します。
- 相続放棄は財産も負債もすべて放棄する手続きで、期限は3ヶ月
- マンションだけを放棄することはできない
- 管理費・修繕積立金の滞納や連帯保証の有無が判断材料になる
- 資産価値があるなら放棄より売却の方が合理的なケースが多い
- 迷ったら相続シミュレーターや価格診断ツールで数値化してから判断する
相続は感情的な判断になりがちですが、数字で見ることで冷静な意思決定がしやすくなります。
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よくある質問
Q: 相続放棄はマンションだけ選んで放棄できますか?
A: できません。
相続放棄は財産も負債もすべてを放棄する手続きです。
マンションだけ放棄して預貯金は受け取る、といった選択はできない点に注意してください。
Q: 相続放棄の期限を過ぎてしまったらどうなりますか?
A: 原則として単純承認したものとみなされ、負債も含めてすべて引き継ぐことになります。
ただし、負債の存在を後から知った場合など、事情によっては期限後でも認められる例外的な判例もあります。
早めに弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
Q: 相続放棄すると他の家族に迷惑がかかりますか?
A: 次の順位の相続人に相続権が移るため、事前の情報共有が重要です。
例えば子が全員放棄すると、被相続人の兄弟姉妹に相続権が移ります。
放棄を検討する段階で、親族間で状況を共有しておくとトラブルを防げます。
Q: 相続したマンションの価値がわからない場合はどうすればいいですか?
A: まずは無料の価格診断ツールで概算の相場を確認するのがおすすめです。
エリア・築年数・面積などから、放棄すべきか売却すべきかの判断材料になります。
Q: 相続放棄と売却、どちらが得か迷っています。
A: 資産価値がプラスで負債が少ないなら、多くの場合は売却の方が得になります。
相続シミュレーター(/tools/inheritance-simulator)を使えば、保有し続けた場合との収支差を数値で比較できます。
相続したマンションを売却する場合、査定額は不動産会社によって数百万円単位で差が出ることがあります。
複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスを活用すると、相場観をつかみながら自分に合った売却先を見つけやすくなります。
放棄・保有・売却、どの選択が最も納得のいく結果につながるか、まずはデータで確認するところから始めてみてください。