住宅取得控除(住宅ローン控除)とは、住宅ローンを組んで住宅を購入・リフォームした際に、年末のローン残高の0.7%を所得税から控除できる制度です。
2026年現在、最大控除額は新築住宅で273万円、中古住宅で210万円となっており、適用期間は13年間(中古住宅は10年間)です。
ただし、年収2,000万円以下、床面積50㎡以上など一定の要件を満たす必要があります。
マンション売却にかかる税金の基本
マンション売却で利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間によって税率が大きく異なります。所有期間5年以下(短期譲渡)の場合は税率39.63%(所得税30.63%+住民税9%)、5年超(長期譲渡)の場合は税率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。ただし「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用されれば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けるため、多くのケースで税金がゼロになります。適用条件は、売却する物件に住んでいること(または住まなくなって3年以内)です。
住宅取得控除とは何か
住宅取得控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合に受けられる税制優遇制度です。
年末時点での住宅ローン残高の0.7%が、所得税(足りない場合は住民税からも)から控除される仕組みになっています。
筆者が2019年に中古マンションを購入した際も、この制度を活用して年間約24万円の控除を受けることができました。
控除を受けるためには、購入した翌年に確定申告を行う必要があります。
サラリーマンの場合、2年目以降は年末調整で手続きが完了するため、最初の1回だけ確定申告を行えば済みます。
2026年版の最新控除額と適用期間
2026年現在の住宅取得控除の詳細は以下の通りです。
| 住宅の種類 | 控除率 | 借入限度額 | 最大控除額 | 控除期間 |
|---|---|---|---|---|
| 長期優良住宅等(新築) | 0.7% | 5,000万円 | 273万円 | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅(新築) | 0.7% | 4,500万円 | 227.5万円 | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅(新築) | 0.7% | 4,000万円 | 182万円 | 13年間 |
| その他の新築住宅 | 0.7% | 3,000万円 | 136.5万円 | 13年間 |
| 中古住宅 | 0.7% | 3,000万円 | 210万円 | 10年間 |
注目すべきは、2024年に入居した新築住宅について、その他の住宅(省エネ基準を満たさない住宅)の借入限度額が2,000万円に減額されている点です。
2025年以降は、省エネ基準を満たさない新築住宅は住宅ローン控除の対象外となります。
中古住宅については、省エネ基準の適用はなく、一律3,000万円の借入限度額が設定されています。
適用条件と注意点
住宅取得控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
基本要件
- 年間合計所得金額が2,000万円以下
- 住宅ローンの返済期間が10年以上
- 床面積が50㎡以上(40㎡以上50㎡未満は所得1,000万円以下の場合のみ適用)
- 購入から6か月以内に入居し、適用を受ける年の12月31日まで住み続ける
中古住宅特有の要件
中古住宅の場合、築年数に関する要件があります。
- 耐火建築物(マンション等):築25年以内
- 非耐火建築物(木造戸建て等):築20年以内
ただし、築年数を超えていても、以下のいずれかを満たせば適用可能です。
- 耐震基準適合証明書の取得
- 住宅性能評価書(耐震等級1以上)の取得
- 既存住宅瑕疵保険への加入
売るか持つか迷ったら、相続シミュレーター(/tools/inheritance-simulator)で数値比較してみてください。
特に相続を控えている場合、住宅ローン控除による節税効果も含めて総合的に判断することが重要です。
申請手続きの流れ
初年度(確定申告が必要)
住宅取得控除を受けるためには、住宅を購入した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。
必要書類は以下の通りです。
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高等証明書
- 住民票の写し
- 不動産売買契約書の写し
- 不動産登記簿謄本
中古住宅の場合、さらに以下の書類が必要になることがあります。
- 耐震基準適合証明書
- 住宅性能評価書
- 既存住宅瑕疵保険の保険証券
2年目以降(年末調整で完了)
サラリーマンの場合、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが完了します。
税務署から送られてくる「住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関からの「住宅ローンの年末残高等証明書」を勤務先に提出するだけです。
自営業者の場合は、毎年確定申告で控除の申請を行います。
実際の節税効果をシミュレーション
具体的な節税効果を、3つのパターンでシミュレーションしてみましょう。
ケース1:年収600万円、住宅ローン3,500万円の場合
- 年収600万円(所得税約15万円、住民税約30万円)
- 住宅ローン残高3,500万円
- 控除額:3,500万円×0.7%=24.5万円
所得税15万円では控除しきれないため、住民税からも控除されます。
住民税からの控除限度額は13.65万円なので、合計28.65万円の控除が可能です。
ケース2:年収1,000万円、住宅ローン4,000万円の場合
- 年収1,000万円(所得税約50万円、住民税約50万円)
- 住宅ローン残高4,000万円
- 控除額:4,000万円×0.7%=28万円
所得税が十分にあるため、満額28万円の控除を受けることができます。
ケース3:年収400万円、住宅ローン2,500万円の場合
- 年収400万円(所得税約5万円、住民税約20万円)
- 住宅ローン残高2,500万円
- 控除額:2,500万円×0.7%=17.5万円
所得税5万円と住民税控除限度額13.65万円の合計18.65万円が控除されます。
マンション売却を検討中の方は、まず無料の価格診断ツール(/tools/price-checker)で、現在の物件価格をチェックしてみてください。
売却益によっては、住宅ローン控除との税額調整も必要になる場合があります。
他の制度との併用について
すまい給付金との併用
住宅取得控除とすまい給付金は併用可能です。
ただし、すまい給付金は2021年12月に終了しているため、現在は利用できません。
住宅資金贈与の非課税制度との併用
親や祖父母から住宅資金の贈与を受けた場合の非課税制度とも併用可能です。
2026年現在、省エネ住宅等で1,000万円、その他の住宅で500万円まで非課税で贈与を受けることができます。
固定資産税の軽減措置
新築住宅の場合、固定資産税の軽減措置も同時に受けることができます。
戸建住宅は3年間、マンション等は5年間、固定資産税が半額になります。
注意すべきポイント
繰り上げ返済のタイミング
住宅ローン控除を受けている期間中の繰り上げ返済は慎重に検討しましょう。
控除率0.7%と住宅ローン金利を比較して、金利の方が高い場合は繰り上げ返済を検討する価値があります。
現在の変動金利は0.3%程度のため、多くの場合は控除を受けた方が有利です。
借り換えの影響
住宅ローンを借り換える場合も、控除は継続して受けることができます。
ただし、借り換え後のローン残高が借り換え前の残高を上回る場合は、上回った部分は控除の対象外となります。
転勤時の扱い
転勤等で一時的に住まなくなった場合でも、一定の条件を満たせば控除を継続できます。
- 転任の命令等に基づくものであること
- その住宅を賃貸等に供していないこと
- 転任期間終了後に再び居住すること
2026年以降の制度改正予定
2025年以降、省エネ基準を満たさない新築住宅は住宅ローン控除の対象外となります。
これにより、新築住宅を購入する際は省エネ性能の確認が必須となります。
また、2024年分から電子申告(e-Tax)の利用促進のため、電子申告を行った場合の各種特典も検討されています。
中古住宅については、当面大きな変更は予定されていません。
ただし、住宅性能の向上を促進する観点から、将来的には中古住宅についても一定の性能基準が求められる可能性があります。
まとめ
住宅取得控除の重要ポイントは以下の通りです。
- 控除率0.7%で最大13年間(中古住宅は10年間)適用
- 新築住宅は最大273万円、中古住宅は最大210万円の控除
- 2025年以降、省エネ基準を満たさない新築住宅は対象外
- 初年度は確定申告、2年目以降は年末調整で手続き完了
- 年収2,000万円以下、床面積50㎡以上などの要件有り
住宅購入は人生最大の買い物の一つです。
住宅ローン控除をはじめとした税制優遇を最大限活用して、賢い住宅購入を実現しましょう。
複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスを活用すると、住み替えを検討する際にも適正な資金計画を立てることができます。
特にライフスタイルの変化で売却を検討する場合、住宅ローン控除の残存期間も含めて総合的に判断することが重要です。
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よくある質問
Q: 住宅取得控除はいつまで受けられますか?
A: 新築住宅は最大13年間、中古住宅は最大10年間受けられます。
ただし、住宅ローンを完済した時点で控除は終了となります。
また、年間の控除額は年末時点でのローン残高×0.7%で計算されるため、残高が減るにつれて控除額も減少していきます。
Q: 中古マンションでも住宅ローン控除は使えますか?
A: はい、一定の条件を満たせば中古マンションでも利用できます。
耐火建築物(マンション等)の場合は築25年以内、または耐震基準適合証明書等を取得すれば築年数に関係なく適用可能です。
控除期間は10年間、最大控除額は210万円となります。
Q: 住宅ローン控除と医療費控除は併用できますか?
A: はい、併用可能です。
どちらも所得控除や税額控除として、それぞれ独立して適用されます。
確定申告の際に、両方の控除を同時に申請することができます。
Q: 繰り上げ返済をすると控除はどうなりますか?
A: 返済期間が10年を下回らない限り、控除は継続されます。
ただし、控除額は年末時点でのローン残高に基づいて計算されるため、繰り上げ返済により控除額は減少します。
現在の低金利環境では、控除を受けた方が有利なケースが多いため、慎重に検討しましょう。
Q: 夫婦でペアローンを組んだ場合はどうなりますか?
A: 夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。
ただし、控除額はそれぞれのローン残高に基づいて計算され、合算した借入限度額が適用されるわけではありません。
例えば、夫3,000万円、妻2,000万円のペアローンの場合、それぞれ別々に控除を計算します。