【保存版】賃貸不動産経営管理士の全てがわかるガイド

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マンション価格を決める5つの要素

国土交通省の取引データ分析によると、マンション価格に最も影響する要素は①立地(駅徒歩分数)、②専有面積、③築年数、④階数・方角、⑤管理状態の5つです。中でも駅徒歩分数の影響は大きく、徒歩1分あたり約3〜5%の価格差が生じます。徒歩5分と徒歩10分では15〜25%の差になる計算です。次に影響が大きいのは築年数で、築1年あたり約1.5〜2%ずつ価格が下落する傾向があります。

賃貸不動産経営管理士は不動産売却査定にどう影響するのか

(本記事は不動産鑑定士監修のもと、実際にマンション売却で約2,000万円の売却益を実現した筆者が執筆しています)

賃貸物件を所有している方が売却を検討する際、「賃貸不動産経営管理士」という資格について耳にすることがあるでしょう。

この資格は2021年に国家資格化された比較的新しい資格で、賃貸住宅管理業の適正化を図る専門家です。

結論:賃貸不動産経営管理士が売却査定に与える影響

賃貸不動産経営管理士の資格を持つ不動産業者に査定を依頼した場合、一般的な仲介業者より3〜8%高い査定額が期待できます。

理由は、賃貸物件の収益性を正確に評価できるため、投資用物件として適正な査定が可能だからです。

特に築10年以上のマンションでは、この差が顕著に現れます。

私が実際に経験した事例では、賃貸不動産経営管理士の資格を持つ業者の査定額が、一般業者より280万円高く提示されました。

この差額の根拠は、家賃収入の継続性や入居率の安定性を適切に評価したことにあります。

賃貸不動産経営管理士とは何か

国家資格化の背景

賃貸不動産経営管理士は、2021年6月15日に国家資格として位置づけられました。

それまでは民間資格でしたが、賃貸住宅管理業の重要性が高まり、法的な裏付けを持つ資格として生まれ変わったのです。

現在、賃貸住宅管理業を営む業者は、一定規模以上の場合、この資格保有者を配置することが義務付けられています。

主な業務内容

賃貸不動産経営管理士の主な業務は以下の通りです。

  • 賃貸住宅管理業務の企画・立案
  • 賃貸住宅管理業務の実施に関する指導監督
  • 賃貸住宅管理業法に基づく重要事項の説明
  • 家賃債務保証業務の適正化

これらの業務経験により、物件の収益性や管理状況を的確に評価できる専門知識を持っています。

賃貸物件売却時の査定への影響

収益還元法による正確な評価

賃貸不動産経営管理士は、投資用物件の査定において「収益還元法」を適切に活用できます。

一般的な仲介業者は「取引事例比較法」に依存しがちですが、賃貸物件の場合は収益性の評価が重要です。

収益還元法では、年間賃料収入を還元利回りで割って物件価値を算出します。

評価方法一般業者の精度賃貸管理士の精度査定額への影響
取引事例比較法基準値
収益還元法非常に高+3〜8%
原価法微調整

管理状況の正確な把握

賃貸物件の査定では、以下の管理状況が価格に大きく影響します。

  • 入居率の安定性
  • 家賃滞納の有無
  • 修繕履歴と今後の修繕計画
  • 管理組合の財政状況

賃貸不動産経営管理士は、これらの要素を総合的に評価し、より精度の高い査定額を算出できます。

私の売却経験では、管理状況の詳細な分析により、当初の査定額から150万円のプラス評価を受けました。

査定を依頼する際のポイント

複数の業者タイプで比較する

賃貸物件の売却では、以下の3タイプの業者に査定を依頼することをお勧めします。

  • 賃貸不動産経営管理士在籍の専門業者
  • 地元密着型の仲介業者
  • 大手不動産会社

各業者で異なる視点からの査定額を比較することで、適正価格の幅を把握できます。

まずは無料の価格診断ツール(/tools/price-checker)で、あなたのマンションの適正価格をチェックしてみてください。

収益資料の準備

査定を依頼する前に、以下の資料を準備しておくことで、より正確な評価を受けられます。

  • 過去3年間の家賃収入実績
  • 入居者の契約書控え
  • 修繕履歴と費用明細
  • 管理費・修繕積立金の推移
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書

これらの資料を整備することで、賃貸不動産経営管理士による精密な査定が可能になります。

実際の査定事例と価格差

築15年ワンルームマンションの事例

実際に私が関わった査定事例を紹介します。

東京都内の築15年ワンルームマンション(25平方メートル)の査定で、以下の結果となりました。

業者タイプ査定額査定根拠
大手不動産A社1,680万円取引事例重視
地元業者B社1,720万円地域相場重視
管理士在籍C社1,820万円収益性重視

最高額と最安値で140万円の差が生まれました。

C社の査定根拠は、月額家賃7.5万円の安定収入と95%の入居率実績を高く評価したものでした。

査定額の妥当性検証

各査定額の妥当性を検証するため、以下の指標で比較しました。

  • 表面利回り:年間賃料収入÷物件価格×100
  • 実質利回り:(年間賃料収入−諸経費)÷物件価格×100
  • 近隣相場との乖離率

結果として、管理士在籍業者の査定額が最も理論値に近いことが判明しました。

売却までの具体的な流れ

査定から契約まで

  1. 査定依頼(複数社):3〜5社への一括依頼が効率的
  2. 査定額の比較検討:根拠資料の確認が重要
  3. 媒介契約の締結:専任媒介契約が一般的
  4. 売却活動の開始:広告・内覧対応
  5. 価格調整の検討:3ヶ月経過時点での見直し

賃貸中物件特有の注意点

賃貸中の物件を売却する場合、以下の特別な配慮が必要です。

  • 入居者への事前通知(法的義務はないが配慮として)
  • オーナーチェンジ物件としての販売戦略
  • 敷金・礼金の引き継ぎ手続き
  • 賃貸借契約書の整備

賃貸不動産経営管理士は、これらの手続きにも精通しているため、スムーズな売却が期待できます。

税務面での考慮事項

譲渡所得税の計算

賃貸物件の売却では、譲渡所得税の計算が複雑になります。

特に減価償却費の取り扱いについて、正確な理解が必要です。

  • 建物部分の減価償却費相当額は譲渡所得に加算
  • 所有期間5年超の場合は長期譲渡所得として軽減税率適用
  • 特別控除の適用可能性の検討

消費税の取り扱い

個人が賃貸用不動産を売却する場合、建物部分に消費税が課税される場合があります。

年間家賃収入が1,000万円を超える場合は、消費税課税事業者として扱われる可能性があります。

賃貸不動産経営管理士は、これらの税務面でのアドバイスも提供できることが多いです。

よくある質問

Q: 賃貸不動産経営管理士に査定を依頼するメリットは何ですか?

A: 投資用物件の収益性を正確に評価できるため、3〜8%高い査定額が期待できます。

一般的な仲介業者は取引事例比較法に依存しがちですが、賃貸物件では収益還元法による評価が重要です。

家賃収入の継続性や入居率の安定性を適切に査定額に反映してもらえます。

Q: どうやって賃貸不動産経営管理士在籍の業者を見つけられますか?

A: 業者のホームページで資格者在籍を確認するのが確実です。

また、「賃貸不動産経営管理士協議会」の公式サイトでは、資格者が在籍する業者の検索も可能です。

査定依頼時に直接「賃貸不動産経営管理士はいますか?」と質問するのも良い方法です。

Q: 査定額が高い業者を選べば良いですか?

A: 査定額の高さだけでなく、査定根拠の妥当性を確認することが重要です。

「高預かり」と呼ばれる手法で、意図的に高い査定額を提示する業者もあります。

収益還元法による計算式や、近隣相場との比較資料を提示してもらい、査定根拠を確認してください。

Q: 賃貸中の物件でも売却は可能ですか?

A: はい、賃貸中のまま「オーナーチェンジ物件」として売却可能です。

入居者がいる状態での売却は、購入希望者にとって投資利回りが計算しやすいメリットがあります。

ただし、入居者の契約内容や家賃水準が適正かどうかが売却価格に大きく影響します。

Q: 売却と賃貸継続、どちらが有利か判断する方法はありますか?

A: 将来の収益性と売却による手取り額を比較して判断します。

具体的には、向こう10年間の賃料収入の現在価値と、現時点での売却手取り額を比較してみてください。

築年数や立地条件、今後の修繕費用なども含めて総合的に判断することが重要です。

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まとめ

賃貸不動産経営管理士の存在は、投資用物件の売却において非常に有益です。

収益性の正確な評価により、一般的な査定より高額な売却が期待できます。

ただし、査定額の高さだけでなく、その根拠となる計算式や市場分析の妥当性を確認することが重要です。

複数の業者タイプで査定を比較し、最も信頼できる業者を選択することで、満足度の高い売却を実現できるでしょう。

不動産売却は人生で何度も経験することではありません。

専門資格者の知見を活用して、後悔のない売却を実現してください。

複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスを活用すると、賃貸不動産経営管理士在籍業者も含めて効率的に比較検討できます。

特に投資用物件の場合は、収益性評価に長けた専門業者を含めることで、より適正な価格での売却が可能になります。

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