【2026年版】親のマンション相続手続き流れをわかりやすく解説

親が所有していたマンションを相続することになったとき、「何から始めればいいのか」「どんな手続きが必要なのか」と不安になる方も多いでしょう。

この記事では、不動産鑑定士の監修のもと、筆者が実際に相続マンションの売却で約2,000万円の売却益を得た実体験をベースに、相続手続きの流れを詳しく解説します。

相続手続きは「相続発生→相続人確定→遺産分割協議→相続登記」の4段階で進み、通常3ヶ月から6ヶ月程度の期間を要します。

最も重要なのは、相続税申告の期限(相続開始から10ヶ月以内)を意識しながら進めることです。

手続きには多くの書類が必要で、特に相続登記が2024年4月から義務化されたため、適切な準備が欠かせません。

親のマンション相続で必要な手続きの全体像

相続でマンションを取得する際の手続きは、大きく分けて4つの段階があります。

それぞれの段階で必要な期間と主な作業を整理すると以下のようになります。

  • 相続発生直後(1週間以内):死亡届提出、遺言書の確認
  • 相続人・相続財産の確定(1〜2ヶ月):戸籍収集、財産調査
  • 遺産分割協議(2〜3ヶ月):相続人間での話し合い、協議書作成
  • 相続登記・税務申告(3〜6ヶ月):法務局への登記申請、税務署への申告

筆者の場合、父が所有していた築25年のマンション(3LDK、都内)を相続した際、全体の手続きに約4ヶ月を要しました。

特に戸籍収集に時間がかかり、遠方の市役所から取り寄せる必要があったため、予想以上に時間を要したことを覚えています。

相続発生から1週間以内にすべきこと

親が亡くなった直後は精神的にも辛い時期ですが、法的に必要な手続きがあります。

まず死亡届を7日以内に市区町村役場に提出する必要があります。

同時に、遺言書の有無を確認することが重要です。

遺言書がある場合とない場合では、その後の手続きが大きく変わるためです。

  • 自筆証書遺言:家庭裁判所での検認手続きが必要
  • 公正証書遺言:検認不要、すぐに内容を確認可能
  • 秘密証書遺言:家庭裁判所での検認手続きが必要

筆者の場合、父は公正証書遺言を残しており、マンションを含む不動産は長男である筆者が相続することが明記されていました。

これにより遺産分割協議の時間を大幅に短縮できました。

相続人と相続財産の確定(1〜2ヶ月目)

相続人の確定に必要な戸籍収集

相続人を法的に確定するためには、被相続人(亡くなった親)の「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本が必要です。

現在の戸籍謄本だけでは不十分で、過去の転籍や婚姻による戸籍の変更をすべて追跡する必要があります。

必要な書類は以下の通りです。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍
  • 相続人全員の現在戸籍謄本
  • 被相続人の住民票除票
  • 相続人全員の印鑑証明書

戸籍収集は本籍地の市区町村でしか取得できないため、遠方の場合は郵送請求になります。

筆者の経験では、父の本籍が3回変わっており、最終的に4つの市区町村から戸籍を取り寄せる必要がありました。

マンションの相続財産評価

マンションの相続税評価額を算出するには、以下の資料が必要になります。

  • 固定資産税評価証明書
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 公図・測量図
  • 建物図面・各階平面図

マンションの相続税評価額は「土地部分+建物部分」で計算されます。

土地部分は路線価方式または倍率方式で評価し、建物部分は固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。

筆者が相続したマンションの場合、固定資産税評価額は2,800万円でしたが、実際の市場価格は3,500万円程度でした。

まずは無料の価格診断ツール(/tools/price-checker)で、あなたのマンションの適正価格をチェックしてみてください。

相続税評価額と市場価格の差を把握することで、売却するかどうかの判断材料になります。

遺産分割協議と協議書の作成(2〜3ヶ月目)

遺産分割協議の進め方

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

マンションのような不動産は物理的に分割できないため、以下のような方法で分割することになります。

  • 現物分割:特定の相続人がマンションを取得し、他の相続人は他の財産を取得
  • 代償分割:マンションを取得した相続人が、他の相続人に金銭で代償金を支払う
  • 換価分割:マンションを売却し、売却代金を相続人間で分割
  • 共有:相続人全員でマンションを共有(推奨されない)

筆者の場合は現物分割で、筆者がマンションを取得し、兄弟には預貯金を相続してもらいました。

遺産分割協議書の作成ポイント

遺産分割協議がまとまったら、協議書を作成します。

協議書には以下の内容を明記する必要があります。

  • 被相続人の氏名、生年月日、死亡年月日、最後の住所
  • 相続人全員の氏名、住所、続柄
  • マンションの所在、地番、家屋番号、床面積
  • 各相続人が取得する財産の詳細
  • 作成年月日と相続人全員の署名・実印での押印

マンションの表示は登記簿謄本の記載と完全に一致させることが重要です。

少しでも相違があると、法務局で相続登記を受け付けてもらえません。

売るか持つか迷ったら、相続シミュレーター(/tools/inheritance-simulator)で数値比較してみてください。

維持費用と売却後の資産運用を比較することで、客観的な判断ができます。

相続登記の手続き(3〜6ヶ月目)

相続登記の義務化と期限

2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続開始を知った日から3年以内に登記申請を行わなければなりません。

正当な理由なく期限内に登記しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記に必要な書類は以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • 相続人全員の現在戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 相続人の住民票

登記費用と手続き方法

相続登記の登録免許税は、固定資産評価額の0.4%です。

筆者のマンション(固定資産評価額2,800万円)の場合、登録免許税は112,000円でした。

司法書士に依頼する場合の報酬は、一般的に10万円から20万円程度です。

自分で手続きを行うことも可能ですが、書類作成に不備があると何度も法務局に通うことになるため、専門家に依頼することをおすすめします。

相続税の申告と納税(10ヶ月以内)

相続税の基礎控除と申告の要否

相続税には基礎控除があり、相続財産の合計額が基礎控除額以下の場合は申告不要です。

基礎控除額は「3,000万円+600万円×相続人の数」で計算されます。

例えば相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。

筆者の場合、相続財産の総額が約6,000万円で基礎控除額を超えていたため、相続税の申告が必要でした。

マンション相続での特例活用

居住用のマンションを相続した場合、以下の特例を活用できる可能性があります。

  • 小規模宅地等の特例:居住用宅地の評価額を80%減額(330㎡まで)
  • 配偶者の税額軽減:配偶者が相続する場合の大幅な軽減措置

小規模宅地等の特例を適用する場合は、相続税申告が必要です。

特例適用後に相続税が0円になる場合でも、申告書の提出は必須となります。

筆者の場合、小規模宅地等の特例により評価額が大幅に減額され、結果的に相続税は約80万円となりました。

相続後の選択肢:売却か保有かの判断

保有した場合のコスト

マンションを相続して保有し続ける場合、以下のような維持費用が継続的に発生します。

  • 管理費・修繕積立金:月額2万円〜5万円程度
  • 固定資産税・都市計画税:年額20万円〜50万円程度
  • 火災保険料:年額2万円〜5万円程度

築古物件の場合、修繕積立金の値上げや大規模修繕の一時金徴収も考慮する必要があります。

売却のメリットとデメリット

相続したマンションを売却する場合のメリットは以下の通りです。

  • まとまった現金を得られる
  • 維持費用の負担がなくなる
  • 相続人間で現金分割しやすい
  • 不動産価格下落リスクを回避できる

一方、デメリットとしては以下が挙げられます。

  • 譲渡所得税が課税される可能性
  • 住む場所がなくなる(居住していた場合)
  • 不動産価格上昇の恩恵を受けられない

筆者は最終的に売却を選択し、約3,500万円で売却できました。

取得費は相続時の時価(3,200万円)で計算できたため、譲渡所得税は約60万円程度に抑えられました。

専門家への相談タイミング

マンション相続の手続きは複雑で、タイミングを間違えると大きな損失につながる可能性があります。

以下のような場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

  • 相続人が多数いる、または関係が複雑
  • 相続財産が基礎控除額を超える可能性が高い
  • マンション以外にも多くの財産がある
  • 相続人間で意見が対立している

税理士、司法書士、弁護士など、それぞれ専門分野が異なります。

筆者の場合は、相続税申告を税理士に、相続登記を司法書士に依頼しました。

複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスを活用すると、相続したマンションの正確な市場価値を把握できます。

売却を検討する場合は、まず複数社の査定を比較することから始めましょう。

よくある質問

Q: 相続登記をしないとどうなりますか?

A: 2024年4月から相続登記が義務化されました。

相続開始を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

また、登記をしないと売却や担保設定ができないため、早めの手続きが重要です。

Q: マンションの相続税評価額はどうやって計算しますか?

A: マンションの相続税評価額は「土地部分+建物部分」で計算します。

土地部分は路線価方式または倍率方式で評価し、建物部分は固定資産税評価額がそのまま使われます。

市場価格とは異なるため、正確な評価には専門家への相談がおすすめです。

Q: 相続したマンションを売却する場合の税金はどうなりますか?

A: 相続したマンションの売却では譲渡所得税が課税される可能性があります。

取得費は相続時の時価で計算でき、所有期間は被相続人の取得時から通算されます。

居住用財産の3,000万円特別控除など、各種特例の適用可能性も検討しましょう。

Q: 遺産分割協議がまとまらない場合は