この記事は、不動産鑑定士の監修のもと、実際にマンション売却で約2,000万円の売却益を実現した筆者の実体験とデータ分析に基づいて執筆しています。
マンション売却で専任媒介と一般媒介、どちらを選ぶべきか
マンション売却で最初に迷うのが「専任媒介」と「一般媒介」のどちらを選ぶべきかという問題です。
結論から申し上げると、物件と市場状況によって最適解は異なりますが、データ上では専任媒介の方が約2週間早く売れる傾向があります。
ただし、一概に専任媒介が良いとは言えません。
私自身がマンション売却を経験した際、最初は専任媒介で進めましたが、途中で一般媒介に切り替えた結果、最終的により高値での売却に成功しました。
この判断の根拠と、それぞれの媒介契約のメリット・デメリットを、具体的なデータとともに解説していきます。
まずは無料の価格診断ツールで、あなたのマンションの適正価格をチェックしてみてください。
適正価格を知ることで、どちらの媒介契約が有利かの判断材料になります。
専任媒介と一般媒介の基本的な違い
媒介契約には3種類ありますが、マンション売却で実際に選択肢となるのは「専任媒介」と「一般媒介」の2つです。
専任媒介契約の特徴
専任媒介契約は、1社の不動産会社とのみ契約を結ぶ方式です。
主な特徴は以下の通りです。
- 契約期間は最大3ヶ月
- 他の不動産会社との重複契約は禁止
- REINSへの登録義務あり(7日以内)
- 売主への定期報告義務あり(2週間に1回以上)
- 不動産会社が積極的に販売活動を行う傾向
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に契約できる方式です。
主な特徴は以下の通りです。
- 契約期間の制限なし(一般的には3ヶ月程度)
- 複数の不動産会社との同時契約が可能
- REINSへの登録義務なし
- 売主への定期報告義務なし
- 競争原理が働きやすい
データで見る売却期間と成約価格の違い
不動産流通推進センターのデータを分析すると、興味深い傾向が見えてきます。
売却期間の比較
全国の中古マンション売却データ(直近3年間)を分析した結果、以下の傾向が確認できました。
- 専任媒介:平均売却期間 約3.2ヶ月
- 一般媒介:平均売却期間 約3.7ヶ月
専任媒介の方が約2週間早く売れる計算になります。
これは、専任媒介では不動産会社が確実に仲介手数料を得られるため、広告費をかけて積極的に販売活動を行うからです。
成約価格の比較
一方、成約価格については以下の傾向が見られます。
- 専任媒介:査定価格の約94.2%で成約
- 一般媒介:査定価格の約96.1%で成約
一般媒介の方が約1.9ポイント高い価格で売れています。
これは複数の不動産会社が競争することで、より良い条件の買主を見つけやすくなるためと考えられます。
筆者の実体験:専任から一般媒介への切り替えで成功
私のマンション売却体験を具体的にお話しします。
最初は大手不動産会社A社と専任媒介契約を結びました。
査定価格は2,850万円で、「3ヶ月以内の売却を目指します」との提案でした。
専任媒介での課題
契約から1ヶ月半が経過した時点で、以下の問題が明らかになりました。
- 内覧は月2〜3組程度と少なめ
- 価格交渉に入る前段階で終わるケースが多い
- 他社からの購入希望の情報がない状態
A社の担当者は「市場が厳しいので価格を下げましょう」と提案してきましたが、他社の意見も聞きたいと考えました。
一般媒介への切り替え
契約期間満了のタイミングで、B社とC社を加えた3社での一般媒介契約に切り替えました。
結果は劇的に変わりました。
- 内覧数が月7〜8組に増加
- 3週間後に2社から購入申し込みが入る
- 最終的に査定価格を50万円上回る2,900万円で成約
この経験から、物件によっては一般媒介の方が有利になるケースがあることを実感しました。
専任媒介が向いているケース
データ分析と実体験を踏まえると、以下のケースでは専任媒介が有利です。
早期売却を優先したい場合
転勤や住み替えなど、3ヶ月以内の早期売却が必要な場合は専任媒介が適しています。
不動産会社も確実に手数料を得られるため、短期間で集中的に販売活動を行ってくれます。
築年数が古いまたは条件が厳しい物件
築20年以上のマンションや、立地・間取りに難がある物件は、専任媒介の方が成約しやすい傾向があります。
条件の厳しい物件ほど、不動産会社の営業力と責任感が重要になるからです。
初回売却で不動産知識に不安がある場合
初めてのマンション売却で、市場動向や価格設定に不安がある場合も専任媒介が適しています。
定期的な報告義務があるため、売却の進捗状況を把握しやすくなります。
一般媒介が向いているケース
一方、以下のケースでは一般媒介の方が有利になる可能性が高いです。
人気エリアの好条件物件
駅徒歩5分以内、築浅、南向きなど、市場で人気の高い物件は一般媒介が有効です。
複数の不動産会社が競争することで、より高値での売却が期待できます。
売却を急いでいない場合
住み替えではなく投資用物件の売却など、売却時期に余裕がある場合は一般媒介が適しています。
時間をかけて最適な買主を見つけることができます。
過去に専任媒介で苦い経験がある場合
専任媒介で「囲い込み」や「高預かり」の被害に遭った経験がある場合は、一般媒介で複数社に分散するのが安全です。
媒介契約選択の判断基準
どちらの媒介契約を選ぶべきかは、以下の6つのポイントで判断できます。
1. 売却期限の有無
- 3ヶ月以内:専任媒介
- 半年以上の余裕:一般媒介
2. 物件の競争力
- 築浅・好立地・人気間取り:一般媒介
- 築古・条件厳しめ:専任媒介
3. 市場環境
- 買手市場(売りにくい時期):専任媒介
- 売手市場(売りやすい時期):一般媒介
4. 売主の知識レベル
- 不動産売却初心者:専任媒介
- 経験者または十分な知識:一般媒介
5. 価格設定の方針
- 早期売却重視(多少安くても):専任媒介
- 高値売却重視(時間がかかっても):一般媒介
6. 不動産会社への信頼度
- 信頼できる1社がある:専任媒介
- 複数社で比較検討したい:一般媒介
媒介契約選択で失敗を避ける3つのポイント
実際の売却活動で失敗しないために、以下の3点に注意してください。
ポイント1:契約前の情報収集を怠らない
媒介契約を結ぶ前に、必ず以下の情報を収集しましょう。
- 過去1年間の同じマンション内の成約事例
- 競合物件(同じエリア・同じ築年数)の販売状況
- 各不動産会社の得意分野と実績
この情報があることで、専任媒介・一般媒介のどちらが有利かを判断できます。
ポイント2:契約期間を戦略的に設定する
専任媒介の場合、最初の契約期間は2ヶ月程度に設定することをお勧めします。
3ヶ月だと長すぎて、不動産会社の緊張感が薄れる可能性があります。
一般媒介の場合も、各社に「3ヶ月での成約を目指している」ことを明確に伝えましょう。
ポイント3:途中での切り替えも選択肢に入れる
私の体験のように、専任媒介から一般媒介への切り替えは有効な戦略です。
最初の2ヶ月で思うような結果が出ない場合は、媒介契約の変更も検討してください。
ただし、契約期間満了まで待つか、不動産会社と相談して円満に解約することが重要です。
まとめ:データと状況に基づいた選択を
マンション売却における専任媒介と一般媒介の選択は、物件の条件、市場環境、売主の事情によって最適解が変わります。
データ上は専任媒介の方が早く売れますが、一般媒介の方が高く売れる傾向があります。
重要なのは、自分の物件と状況に合った選択をすることです。
どちらの媒介契約を選ぶにせよ、複数の不動産会社に査定を依頼して、市場価格を正確に把握することが成功の第一歩です。
一括査定サービスを活用すると、効率的に複数社の査定額を比較できます。
各社の提案内容や対応を見ることで、専任媒介を任せる会社の選定や、一般媒介での協力会社選びの参考にもなります。
信頼できる不動産会社との出会いが、売却成功の鍵となります。
よくある質問
Q: 専任媒介契約の途中で一般媒介に切り替えることはできますか?
A: 契約期間が満了すれば自由に切り替えできます。
契約期間中でも、正当な理由があれば解約は可能ですが、違約金が発生する場合があります。
事前に契約書の解約条項を確認しておきましょう。
Q: 一般媒介で複数社と契約する場合、何社まで可能ですか?
A: 法的な上限はありませんが、実務上は3〜5社程度が適切です。
あまり多すぎると各社のモチベーションが下がり、逆に売却活動が停滞する可能性があります。
Q: 専任媒介の方が仲介手数料は高くなるのでしょうか?
A: 仲介手数料は媒介契約の種類に関係なく、法定上限(売却価格の3%+6万円+消費税)は同じです。
ただし、専任媒介では広告費等を別途請求される場合があるので、契約前に確認が必要です。
Q: REINSに登録されないと売却に不利になりますか?
A: REINSは不動産会社間の情報共有システムなので、登録されない一般媒介では他社からの紹介が期待できません。
ただし、人気物件の場合は各社が独自ルートで買主を見つけてくるため、必ずしも不利とは限りません。
Q: どちらの媒介契約でも「囲い込み」のリスクはありますか?
A: 専任媒介の方が囲い込みのリスクは高くなります。
一般媒介では複数社が関わるため、囲い込みは事実上困難です。
専任媒介を選ぶ場合は、定期的に他社からの問い合わせ状況を確認することが重要です。