年金いくらもらえる【不動産鑑定士監修・データで検証】

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老後の生活設計を考える上で、年金がいくらもらえるかは最重要項目の一つです。 不動産鑑定士監修のもと、実際のデータと筆者の実体験を基に解説します。

マンション売出価格と成約価格の実態

東京23区の中古マンションにおいて、売出価格と実際の成約価格には平均29.3%の乖離があります。つまり、SUUMOやHOME’Sで表示されている売出価格より、実際にはおよそ3割低い価格で成約しているのが実態です。この乖離率は築年数によっても異なり、築10年以内は約15%、築20年超は約35%と、築年数が古いほど乖離が大きくなる傾向があります。適正な売却価格の把握には、売出価格ではなく成約データの確認が不可欠です。

年金額の結論:一般的な受給額と個人差

国民年金・厚生年金を合わせた平均受給額は月額約14.6万円(厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」)です。

ただし、この数字はあくまで平均値。 実際の受給額は加入期間・現役時代の年収・加入制度によって大きく異なります。

国民年金のみの場合は月額約6.8万円、厚生年金込みでも会社員の平均は月額約16.5万円、自営業者は月額約7.2万円となっています。

重要なのは、この受給額だけで老後生活が成り立つかという視点です。 総務省の家計調査では、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月額約26.8万円。 年金だけでは約12万円不足する計算になります。

この不足分を補うために、多くの方が不動産売却を検討されます。 筆者も親の介護費用確保のため、実家の売却を経験しました。

年金制度の基本構造:3階建てシステム

日本の年金制度は「3階建て」と呼ばれる構造になっています。

1階部分が国民年金(基礎年金)で、20歳以上60歳未満の全国民が加入。 2階部分が厚生年金で、会社員・公務員が加入。 3階部分が企業年金・個人年金などの上乗せ部分です。

階層制度名対象者月額受給例
1階国民年金全国民約6.8万円
2階厚生年金会社員・公務員約9.7万円
3階企業年金等一部の会社員約2〜5万円

自営業者は1階の国民年金のみ、会社員は1階+2階の組み合わせとなります。

3階部分がある方は、年金額がさらに上乗せされます。

国民年金の受給額:満額でも月6.8万円

国民年金(基礎年金)の満額は、令和6年度で月額68,000円です。

この金額は40年間(480月)保険料を納付した場合の満額。 未納期間があると、その分減額されます。

計算式は以下の通りです: 受給額 = 68,000円 × (納付月数 ÷ 480月)

例えば、35年間(420月)しか納付していない場合: 68,000円 × (420 ÷ 480) = 59,500円

約8,500円も減額されてしまいます。

国民年金のみで老後生活を送るのは、現実的に困難な水準です。 多くの自営業者が、老後資金確保のために不動産売却を検討する理由がここにあります。

厚生年金の受給額:現役時代の年収で決まる

厚生年金の受給額は、現役時代の年収と加入期間によって決まります。

計算の基礎となる「平均標準報酬月額」は、加入期間中の給与とボーナスの平均です。

厚生年金の受給額計算式:

  • 平成15年3月以前:平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 加入月数
  • 平成15年4月以降:平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数

具体的な受給例を見てみましょう:

現役時代の年収40年加入の受給額国民年金込み総額
300万円約8.2万円約14.8万円
500万円約13.6万円約20.4万円
700万円約17.8万円約24.6万円

年収が高いほど受給額は増えますが、上限があります。 厚生年金の標準報酬月額は65万円が上限のため、それ以上の年収でも受給額は頭打ちとなります。

受給額を増やす3つの方法

年金受給額を増やす方法は限られていますが、以下の手段があります。

まず「繰下げ受給」です。 65歳から受給開始を遅らせると、1か月あたり0.7%受給額が増額されます。 70歳まで繰下げれば42%増額され、月14.6万円が約20.7万円になります。

次に「任意加入」。 国民年金は60歳で加入終了ですが、65歳まで任意加入が可能です。 未納期間がある方は、満額に近づけることができます。

最後に「付加年金」。 国民年金の第1号被保険者は、月額400円の付加保険料を納付することで、将来の受給額を増やせます。 付加年金額 = 200円 × 付加保険料納付月数

ただし、これらの方法でも大幅な増額は期待できません。 老後資金不足を補うには、やはり資産活用が重要になります。

老後資金不足への対策:不動産売却という選択肢

年金だけでは老後生活費をまかなえない現実を踏まえ、多くの方が資産活用を検討されます。

特に不動産は、多くの日本人にとって最大の資産です。 総務省の全国消費実態調査では、60歳以上の世帯の約8割が持ち家を所有しています。

筆者の実体験では、親の介護費用確保のため実家を売却し、約2,000万円の売却益を得ることができました。 この資金があったからこそ、安心して介護サービスを受けさせることができたのです。

不動産売却を検討される際は、まず適正価格を把握することが重要です。 無料の価格診断ツール(/tools/price-checker)で、お手持ちの不動産がいくらで売れるか確認してみてください。

売却か保有継続かで迷われている方には、相続シミュレーター(/tools/inheritance-simulator)での数値比較をおすすめします。 将来の相続税負担や維持費用も含めて、最適な選択を数値で判断できます。

年金受給開始のタイミング戦略

年金の受給開始時期は、個人の経済状況によって最適解が変わります。

標準的な65歳受給開始の場合、月額14.6万円を終生受給できます。 60歳からの繰上げ受給も可能ですが、1か月あたり0.4%減額されます。 60歳で受給開始すると24%減額され、月額約11.1万円となります。

逆に70歳まで繰下げれば42%増額され、月額約20.7万円になります。 さらに75歳まで繰下げが可能で、最大84%増額の月額約26.9万円まで増やせます。

繰下げ受給のメリット・デメリットをまとめると:

  • メリット:受給額の大幅増額、税制上の優遇
  • デメリット:受給開始までの生活費確保、健康リスク

繰下げ受給を選択する場合、65歳から70歳(または75歳)までの生活費をどう確保するかが課題となります。

この期間の生活費確保に、不動産売却を活用される方も多くいらっしゃいます。

世代別・職業別の年金受給額実例

実際の年金受給額は、世代や職業によって大きく異なります。

現在70歳代の方(昭和20年代生まれ)は、高度経済成長期に現役時代を過ごしたため、比較的高い受給額となっています。 一方、現在50歳代の方(昭和40年代生まれ)は、少子高齢化の影響で受給額の伸びが鈍化しています。

職業別の平均受給額(令和5年度):

職業国民年金厚生年金合計
元会社員6.8万円9.7万円16.5万円
元公務員6.8万円12.3万円19.1万円
元自営業者6.8万円-6.8万円

公務員の厚生年金が高いのは、共済年金時代の職域加算があるためです。

自営業者の方は受給額が特に少なく、老後資金対策が急務となります。 国民年金基金や小規模企業共済などの活用に加え、不動産などの資産活用も重要な選択肢です。

夫婦世帯の年金額シミュレーション

夫婦世帯の年金受給額は、それぞれの加入歴によって決まります。

典型的なパターンを見てみましょう:

パターン1:会社員夫+専業主婦

  • 夫:厚生年金16.5万円
  • 妻:国民年金6.8万円
  • 世帯合計:23.3万円

パターン2:共働き世帯

  • 夫:厚生年金16.5万円
  • 妻:厚生年金12.8万円
  • 世帯合計:29.3万円

パターン3:自営業夫婦

  • 夫:国民年金6.8万円
  • 妻:国民年金6.8万円
  • 世帯合計:13.6万円

パターン3の自営業夫婦は、受給額が特に少なくなります。 老後生活費の月額26.8万円と比較すると、約13万円の不足です。

この不足分を補うために、多くの方が不動産売却を検討されます。 築古の実家や投資用不動産など、活用していない不動産がある場合は、早めの売却検討をおすすめします。

まずは価格診断ツール(/tools/price-checker)で、現在の市場価値を確認してみてください。

年金以外の老後収入源

年金だけでは老後生活費をまかなえない現実を受け、複数の収入源確保が重要です。

主な老後収入源として:

  • 退職金(大企業平均:約2,500万円、中小企業平均:約1,200万円)
  • 企業年金・個人年金
  • 貯蓄の取り崩し
  • 不動産収入(賃貸経営)
  • 不動産売却益
  • 継続勤務による給与収入

特に不動産は、多くの日本人にとって最大の資産です。 国土交通省の調査では、60歳以上世帯の純資産に占める不動産の割合は約7割に達しています。

筆者も親の介護費用確保のため実家を売却し、約2,000万円の売却益を得ました。 この資金があったおかげで、介護サービスの選択肢が大幅に広がりました。

不動産売却を検討される際は、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。 会社によって数百万円の査定額の差が出ることも珍しくありません。

複数の不動産会社への査定依頼の重要性

不動産売却で失敗しないための最重要ポイントは、複数社への査定依頼です。

筆者の実体験では、6社に査定を依頼したところ、最高額と最安値で約480万円の差がありました。 1社だけの査定で決めていたら、数百万円の損失につながっていた可能性があります。

複数社への査定が重要な理由:

  • 不動産会社ごとに得意エリア・物件タイプが異なる
  • 査定の算出根拠や手法に違いがある
  • 高い査定額で契約を取る「高預かり」を見抜ける
  • 相場感を正確に把握できる

一括査定サービスを活用すると、効率的に複数社からの査定を取得できます。 信頼できる大手不動産会社から地元密着型まで、幅広い会社に一度に査定依頼が可能です。

老後資金確保のための不動産売却では、1円でも高く売ることが重要。 まずは無料の一括査定サービスで、お手持ちの不動産の適正価格を把握することから始めてください。

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よくある質問

Q: 年金は何歳からもらえますか?

A: 原則65歳から受給開始です。 ただし60歳からの繰上げ受給(減額あり)や、70歳・75歳までの繰下げ受給(増額あり)も選択できます。 繰上げ受給は1か月あたり0.4%減額、繰下げ受給は1か月あたり0.7%増額となります。

Q: 年金受給額を増やす方法はありますか?

A: 主な方法は3つあります。 繰下げ受給(最大84%増額)、国民年金の任意加入(未納期間がある場合)、付加年金の納付(月400円で将来の受給額増)です。 ただし大幅な増額は期待できないため、資産活用も併せて検討することをおすすめします。

Q: 自営業者の年金は少なすぎませんか?

A: 国民年金のみの自営業者は月額約6.8万円と確かに少額です。 国民年金基金や小規模企業共済への加入、個人型確定拠出年金(iDeCo)の活用で上乗せが可能です。 それでも不足する場合は、不動産などの資産活用を検討する方が多くいらっしゃいます。

Q: 夫婦の年金だけで老後生活は可能ですか?

A: 夫婦合計で月額20万円程度の年金があっても、平均的な生活費月額26.8万円には約7万円不足します。 退職金や貯蓄の取り崩し、不動産売却などで不足分を補う必要があります。 早めの資金計画と資産整理をおすすめします。

Q: 年金の受給額はどこで確認できますか?

A: 年金定期便や「ねんきんネット」で確認できます。 50歳以上の方は将来の受給見込み額、50歳未満の方は現在までの加入実績が記載されています。 正確な将来受給額を知りたい場合は、年金事務所での相談も可能です。

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